樹を観せる

福岡演習林に展示している円盤
樹木には樹皮の模様や形状、材の質感や色、それに木目など様々な特徴があります。樹種による特徴の違いにを知るには樹木の見本があると便利です。例えば自然公園のビジターセンター等で大きな木の円盤が置かれていることもありますが、円盤では樹木の太さや樹齢を視覚的にとらえやすい反面、ほかの特徴を観察するに最適ではありません。樹木の特徴をより分かりやすく観察するには、樹皮を含んだ材部分をカットした小片や、丸太を加工したものなどが役立ちます。これらは樹木の標本、材鑑(ざいかん)といいます。
伐採地の状況(2014.2月 第10林班内)

福岡演習林の森林には多くの樹種がありますが、それらの樹木で材鑑をつくって教育資材としています。これらの材鑑の多くは、2014年に伐採した広葉樹材を利用しました。 

乾燥中の丸太
作業工程(切断)

伐採木を丸太の状態で乾燥させた後に切断、研磨といった作業を経て材鑑に仕上げました。材料を同じ林分(ひとつの森林のまとまりを示した用語)
で採取したので材の特徴だけでなく、森林内の樹種によるサイズや樹齢の違いについてもある程度表現できました。

作業工程(切断面の研磨)
今後も、演習林内にある比較的珍しい樹種を伐採することがあれば材鑑として整備・保存していく予定です。

なお、これらのこれらの材鑑は、かすや資料館(福岡演習林内)に展示しています。一般には非公開ですが、年1回開催される公開講座(定員制)の際に観ることができます。

完成した材鑑


展示状況(かすや資料館)
                             (2017/08/23 D.O)